こんにちは、フクオと言います。
私は個人事業主として矯正歯科治療などの事業を営み、事業所得を得ています。
事業を家族に手伝ってもらい、家族を雇い、給与を支払っても、通常は家族への給与は経費として認められません。
条件を満たせば、「家族へ支払う給与を経費にできる」と聞いたことがある歯科医師の方もおられるかもしれませんが、その条件や準備(必要な届出書)ってよく分からないですよね。
どんな届出書を出したら良いの?
届出書の書き方を教えてー
個人事業主に興味がある歯科医師の皆さまの中には、こんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
特に、個人事業主について調べたり、個人事業主になられた方で、ご家族を雇う予定のある方は、家族への給与を経費にできる条件や方法を知りたいですよね。
かく言う私も、個人事業主になる前に、同じ悩みを抱えていた時がありました。
結論から言うと、給与を支払うご家族がご自身の事業に専従などの条件を満たせば、届出書を提出するだけで給与を経費にすることができ、すでに開業届を出している方は家族への給与に関する届出書のみ追加で提出、まだ開業届を出していない方は開業届と併せて提出することができます。
この記事では、個人事業主で歯科医師の私が、家族への給与を経費にできる条件と届出書の作成方法を紹介します。
記事の内容は、私の顧問をして頂いている税理士の先生に教えてもらった内容も含まれているため、信用性は担保されているかと思います。
今回は、まだ開業届を出していない方に向けて説明しますが、すでに開業届を出している方にも参考になる内容です。
家族への給与を経費にできる条件
ご家族がご自身の事業に専従(その仕事だけに従事して、他では働いていない)している場合には、そのご家族への給与を経費にすることができ、これを「青色事業専従者給与」といいます。
専従とは、例えば、歯科医師同士のご夫婦で、ご主人が個人事業主となった場合、奥さまが歯科医院で勤務医をしていれば、ご主人の事業を手伝っていても専従ではないため青色事業専従者とすることはできません。
注意するべき点として、事業専従者は、扶養対象配偶者や扶養親族にはなれない、ことは覚えていてください。
青色事業専従者とするための条件は、
- 青色申告者と生計を一にする親族(15歳以上)
- その年の6か月を越える期間の従事
- 給与の額(労務の対価として過大でない、届出書の記載金額の範囲内)
1,2つ目は記載している通りですが、3つ目の給与の額は、常識的に考えて、給与が妥当な金額である必要があります。
上記の条件を満たしていれば、
- 青色事業専従者給与に関する届出書
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
を税務署に提出して、青色事業専従者給与を支払います。
これらの届出書の提出方法をこのあとに解説します。
青色事業専従者給与に関する届出書を含む3つの届出書
①「青色事業専従者給与に関する届出書」は、専従者が増える場合、その2か月以内に提出しなければなりません。
②「給与支払事務所等の開設届出書」は事務所の開設から1か月以内に提出しなければならない。
③「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」も提出するのがオススメです。
源泉所得税は、原則として徴収した日の翌月10日が納期限ですが、
この申請は、事業主が源泉徴収した税金を毎月支払うのはメンドイため、年2回にまとめて納付できる特例制度を受けるための手続きです。
提出方法は、
すでに「開業届と青色申告承認申請書」を提出している方は、
- 開業freeeで届出書を作成し、印刷
- 国税庁のホームページから届出書の様式をダウンロードし、記載
- 税務署で届出書をもらい、記載
→直接もしくは郵送で税務署に提出
「開業届と青色申告承認申請書」がまだの方は、
開業freeeを使うことで、開業届と一緒に、家族への給与に関する届出書を提出できます。
開業freeeで開業届などの届出書を提出とは?
「開業freee」というサイトを使えば、マイナンバーカードとICカードリーダーをお持ちの方は、税務署に行ったり、書類を郵送したりする必要もなく、簡単にネット上で開業届などの届出書を提出することができます。
開業届 =「個人事業の開業届出書」は事業の開始から1か月以内の提出が推奨されています。
もし、マイナンバーカードやICカードリーダーをお持ちでない場合でも、開業freeeで作成した届出書を印刷してお近くの税務署に郵送したり、税務署まで直接持って行くことも可能です。
ただ、個人事業主はICカードリーダーを持っていた方がかなりお得になり、その理由をもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
開業freeeに登録
まずは、開業freeeに登録です、メールアドレスとパスワードを設定するだけで無料で登録できます。
簡単な質問に答えるだけで届出書を作成
登録したら、簡単な質問に答えるだけで書類が準備できます。
仕事の概要
仕事の概要は、歯科医師の方でしたら、「医療・福祉」を選び、詳細はご自身の状況に合わせて記載します。
事業開始予定日
事業開始予定日は、開業届は事業開始から1か月以内の提出となっていますが、まだ準備中の方でしたら、開業予定日を記入したり、開業届作成日である本日を記入しましょう。
想定の年収と働く場所
想定の年収はあくまでも予想で、大体の額で大丈夫。
働く場所は、「その他/決まっていない」を選択することもできます。
従業員・家族の給与
家族への給与を経費にしたい方は、「家族に支払う」を選択します。
ここまで記入したら、「次へ」。
屋号
屋号の入力は任意ですが、あれば入力しましょう。
屋号は個人事業主が事業を行う際に使用する名称で、必ずつけないといけないわけではありません。
屋号は後から変更することも可能ですので、悩みすぎなくても大丈夫です。
申請者の情報
申請者の情報は、あなたの氏名、住所、電話番号、生年月日を入力してください。
収入の種類
収入の種類は、「事業所得」を選んでください。
給与を支払う家族の情報
給与支払い予定があるご家族の情報を記載します。
あなたとの続柄、氏名、年齢、仕事内容、経験年数(例えば、歯科医師であれば歯科医師歴)、従事の程度、資格、給料(月額)、賞与を入力してください。
給与の欄は上限額であり、実際に支払う給与額が記載した額を越えてはいけないため、注意が必要。
もしも記入した以上の額を支払うことになる場合には、「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を提出してください。
確定申告の種類
確定申告の種類は、節税のメリットを活かすためには「青色申告55万円控除」を選ぶのが最善です。
ここまで、入力したら、「書類を提出する」。
届出書を提出
あとは、書類の提出先の税務署を選びます。
これは、先程入力した住所から最適な税務署がすでに表示されていることが多いと思います。
そして、書類の内容を再度確認し、提出方法を選びます。
提出方法は、ご自身で直接税務署に持って行く場合と郵送する場合は作成した書類を印刷します。
freeeで電子申告する場合は、ここからマイナンバーカードとICカードリーダーを使って、そのままネット上で開業届および家族への給与に関する届出書の提出を完了させることができます。
ここまで記事を読んでいただいた方には、開業freeeから開業届および家族への給与に関する届出書を出すのはとても簡単なことが分かっていただけたと思います。
まとめ
開業届および家族への給与に関する届出書の提出は開業freeeを使えば、とても簡単です。
さらに、マイナンバーカードとICカードリーダーをお持ちの方はネット上で全て完結。
家族への給与に関する届出書を提出したら、家族への給与を経費にすることができます。
この記事を読んだまだ個人事業主ではない、勤務医、フリーランスの歯科医師、医療人の方が個人事業主となり、より良い生活を送れることを願っています。
今後もどうぞご贔屓ご鞭撻のほどを。