こんにちは、フクオと言います。
私は勤務医をしながら、別の医院でも給与や事業所得をもらって働いている個人事業主です。
公務員が副業禁止なことは有名ですし、会社によっても副業禁止の企業がある、と聞いたこともあるかもしれません。
「歯科医師など医療人は副業・兼業をできるの?」と思った方もおられるかもしれませんが、歯科医師の方にとって、副業・兼業が可能かどうかはよく分からないですよね。
副業・兼業についての法律、裁判例や医院のルールはあるの?
副業・兼業をする場合には院長に報告しないといけないの?
歯科医師の皆さまの中には、こんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
特に、副業・兼業を考えはじめた歯科医師の方は、より悩みも大きくなりますよね。
かく言う私も、同じような悩みを抱えていました。
結論から言うと、歯科医師の副業・兼業は基本的には法律で制限されていませんが、医院毎の就業規則には注意が必要です。
この記事では、個人事業主として働く歯科医師である私が、歯科医師の副業・兼業に関する法律や就業規則について紹介します。
記事の内容は、私の顧問をして頂いている税理士の先生に教えてもらった内容も含まれているため、信用性は担保されているかと思います。
勤務医の副業・兼業に関する法律
常勤で勤務している医院とは別の医院でアルバイトを行うことは、労働基準法などの法律では制限されていません。
私を含め、一般的に行われていますので、法的にはOKでしょう。
副業・兼業自体への法定な規制はない。
厚生労働省 副業・兼業の促進に関するガイドラインより引用
以下の厚生労働省のhpからの引用にもあるように、裁判例でも「労働者は副業・兼業できる」とあります。
ここでの、副業・兼業にはもちろん個人事業主も含みます。
労働者の副業・兼業について、裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは基本的には労働者の自由であることが示されていることから、労働者が副業・兼業できることを明示しています。
厚生労働省 モデル就業規則より引用
ただ、注意すべき点があります。
裁判例では、
- 労務提供上の支障となる場合
- 企業秘密が漏洩する場合
- 企業の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
- 競業により企業の利益を害する場合
には、各企業が副業・兼業を制限することが許されるとありますので、上記に触れないようにしましょう。
勤務医の副業・兼業に関する医院の規則
就業規則
常時10人以上の従業員がいる医院では労働者に適用されるルールを雇用主が決めた「就業規則」があり、
就業規則には、労働時間、賃金やその他のルールが記載されています。
就業規則で、勤務する医院の副業・兼業に関するルールを確認しましょう。
就業規則には「常時見やすい場所に掲示しておかなければならない」という周知義務(労働基準法)もあります。
常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならない。
厚生労働省 モデル就業規則より引用
お勤め先の医院の就業規則に、「副業禁止、兼業禁止」が明記されていれば、副業・兼業を行うと規則違反になりますので注意してください。
雇用時の労働条件
従業員が少ないために就業規則がない医院でも、労働契約締結時には労働条件(労働条件通知書)が提示されているはずです。
使用者が労働者を採用する時は、賃金・労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければなりません。(労働基準法)
厚生労働省 労働契約より引用
就業規則がない場合には、雇用時の労働条件を確認しましょう。
いまどき雇用時における労働条件の書面提示がない医院は何らかの問題がありそうで勤務を避ける方が無難ですが、もしも書面などの提示がなかった場合は改めて労働条件を明示してくれるように頼んでみるのも良いでしょう。
副業・兼業の雇用主・院長への報告
報告内容
副業・兼業自体への法的な規制はありませんが、厚生労働省のモデル就業規則(あくまでも規定の一例で、必ずこの通りにしなければならないというものではないですが)では、以下のように「副業・兼業は事前に届出を行う」とあり、
副業・兼業を報告していないことによって、常勤の勤務先に迷惑をかけることがあってもいけませんので、雇用主である院長には事前に報告しておくことをオススメします。
厚生労働省が示しているモデル就業規則では、「労働者は副業・兼業に従事するにあたっては事前に会社に所定の届出を行うものとする」という規定がある。
厚生労働省 副業・兼業の促進に関するガイドラインより引用
院長へ報告する場合は、
- 勤務地
- 勤務日
- 業務内容
を伝えましょう。
ただ、上記したように、モデル就業規則はあくまでも一例ですので報告は義務ではありません。
報告時の注意
副業・兼業を雇用主・院長へ報告する際には、できるだけ波風立てずに行いたいものですよね。
院長への報告時の注意に関しては、次の記事が分かりやすいのでオススメです!
- 「ママ矯正歯科医たけこ先生」のブログ記事 「失敗しない円満退職のススメ!」
この記事は、「円満に退職するための院長への辞意の伝え方」がとても分かりやすく書かれているのですが、院長へ言いづらいことを伝える場合のすべてに共通して参考になるのでオススメです。
また、本来の記事内容通りに円満退職を目指す時にももちろん力になってくれますので、労働条件を明示していないようなブラック医院で勤務している方はぜひ読んでください。
まとめ
歯科医師の副業・兼業は、医院毎の就業規則には注意が必要ですが、基本的に法律で制限されていません。
そして、せっかく副業・兼業を行うのでしたら、個人事業主になる方がかなりお得!
このため、個人事業主に興味がある方はぜひコチラの記事をお読みください。
この記事を読んだまだ個人事業主ではない、勤務医、医療人の方が副業・兼業に踏み出して、より良い生活を送れることを願っています。
今後もどうぞご贔屓ご鞭撻のほどを。