こんにちは、フクオと言います。
私は個人事業主として矯正歯科治療などの事業を営んでおり、事業に使用する備品などを「現金」や「クレジットカード」で購入します。
個人事業主は現金を扱うために「事業用の財布」と「プライベート用の財布」を持っているんです。
本来は、事業用のモノを買うときは「事業用の財布」を使わなければいけません。
しかし、出先で急に「プライベート用の財布」から現金で支払うこともあるでしょう。
この場合、帰宅後に「事業用の財布」から「プライベート用の財布」にわざわざ使用分を補填することになり、例えば「1,127円使ったけど事業用の財布に小銭あと1円足りないー。」みたいなことも、、、
個人事業主に興味がある歯科医師の方もおられるかもしれませんが、上記のような話を聞くと現金の扱いは面倒くさそうですよね。
財布は本当に事業用とプライベート用に分けないといけないの?
分けない場合はどうしたら良いの?
個人事業主に興味がある勤務医の皆さまの中には、こんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
特に、実際に個人事業主になったり、具体的に個人事業主について調べている方は、事業用の財布、現金の扱い方を詳しく知りたいですよね。
かく言う私も、個人事業主になる前に、同じ悩みを抱えていた時がありました。
結論から言うと、ひとりで事業を行っている個人事業主の歯科医師は、プライベート用とは別の事業用の財布を作らなくても問題ありません。
この記事では、個人事業主で歯科医師の私が、
教科書的な事業用とプライベート用の財布を分けた場合の現金の扱いと
ラクで実際的な分けない場合の扱いを紹介します。
記事の内容は、私の顧問をして頂いている税理士の先生に教えてもらった内容も含まれているため、信用性は担保されているかと思います。
教科書的な現金の扱い:事業用の財布を作る
教科書的には、事業用とプライベート用の財布は別々に管理します。
別々にする理由は、事業用とプライベート用で現金が混ざらないようにするためです。
ただ、この記事の冒頭でお話したように、「プライベート用の財布」で経費を支払うと、家に帰った後に「事業用の財布」から移し替えることが面倒くさいですよね。
実は、事業用の財布を作ると移し替えが面倒くさいだけでなく、仕訳も煩雑になります。
財布を別々に管理した場合の仕訳の流れを以下にお見せします。
開業時には、元入金として事業用の財布に現金を準備しておき、
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
現金 | 100,000 | 元入金 | 100,000 | 事業資金として準備した現金 |
その現金を用いて経費を支払う。
例えば、事業で使うボールペンを購入した際は、
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
消耗品費 | 500 | 現金 | 500 | ボールペン1本、〇〇書店 |
そしてその現金が少なくなれば、売上で増えた普通預金の残高から事業用の財布に現金を移す。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
現金 | 50,000 | 普通預金 | 50,000 | 〇〇銀行普通預金口座から事業用資金として引出 |
上記のように、事業用の財布を作ると、最初に元入金として事業用の現金を準備し、少なくなると追加する必要があり、仕訳が煩雑なんです。
実際的な現金の扱い:事業用の財布を作らない
理想的な現金の扱い(プライベート用の財布とは別の事業用の財布を作る)をすると、
事業用とプライベート用の財布間で面倒な現金の移し替えが必要だったり、仕訳が煩雑になります。
もちろん、ビジネスの財布を作って理想的な管理をすることが煩わしくない方は事業用の財布を作っても良いでしょう。
財布を別々にすることが煩わしい方には、「事業用の財布を作らない」という方法もあります。
従業員を何人か抱える会社で「事業用の財布を作らない」というのは通用しませんが、「従業員がいない私たち個人事業主は事業用の財布を作らなくても大丈夫」、と私の顧問税理士の先生も仰っていました。
事業用の財布を作らない場合、
財布はひとつであるため、移し替えの手間はありませんし、
開業時の元入金として現金を準備する仕訳や、事業用の現金を補充する仕訳は必要ありません。
また、現金で経費を支払った時は、プライベートの財布から現金が出ていったという形で処理をして、「事業主借」として仕訳します。
プライベート用の現金で事業で使うボールペンを購入した際の仕訳は、
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
消耗品費 | 500 | 事業主借 | 500 | ボールペン1本、〇〇書店 |
となり、経費を支払った時の仕訳だけになります。
このように、事業用の財布を作らないとラクなんです。
すでに事業用の財布をお持ちの方も、
これ以後はプライベート用の財布から現金が出ているとして処理すると、事業用の財布を作っていないのと同じになります。
一方、預金口座やクレジットカードは事業用と個人用を分けておくと、会計ソフトがお金の流れを自動で記録してくれるため、別々に分ける方が良いでしょう。
まとめ
ひとりで事業を行っている個人事業主の歯科医師は、プライベート用の財布とは別の事業用の財布を作らなくても問題ありません。
事業用の財布を作らないと、現金の管理もラクですし、日々の帳簿つけもシンプル。
すでに事業用の財布をお持ちの方も、これ以後の処理をプライベート用の財布からの出金とすると、管理や帳簿つけがラクになります。
帳簿つけ、経費について、もっと詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ。
この記事を読んだまだ個人事業主ではない、勤務医、フリーランスの歯科医師、医療人の方が個人事業主となり、より良い生活を送れることを願っています。
今後もどうぞご贔屓ご鞭撻のほどを。